本当にリラックスするということは、全身の筋肉が即効的に弛緩するという ことです。 これは自律神経の1つ副交感神経が優位になった証拠です。副交感神経は心 身ともにリラックスさせるいわゆるリラックス神経です。
反対に交感神経は身体の興奮を司り、この神経が優位の状態が続いていると 血管が収縮しすぎて血流障害を伴い、さらに白血球の顆粒球が増えすぎて組 織を破壊していきます。
「ストレス」→「交感神経緊張」→「顆粒急増多」→「組織破壊」という病 気のメカニズムから考えると「交感神経緊張は万病のもと」・・・わかり易 く言い換えると「コリは万病のもと」と言えます。
ストレスで全身が緊張したり慢性の凝りがある場合は交感神経優位で顆粒球 が増え健全な組織まで破壊している状態にあります。本人の自覚は無くても 全身で顆粒球増多が起こっています。
例えば腰痛がある場合、その腰痛がある周囲組織でも組織破壊が起こってい るので、ますます悪化ていきます。また、ストレスによって顆粒球増多にな り、胃の粘膜が破壊され胃痛が出たり、大腸粘膜が破壊されると、生体は防 御反応でその粘膜破綻から逃れようと副交感神経反射を起こして消化管の動 きを促して回復しようとします。この反射が下痢症状を引き起こす潰瘍性大 腸炎となります。
このような悪循環を断ち、自然治癒力を高めるのに最高の方法は異常に緊張 した筋肉を緩め全身をリラックスさせ自律神経を副交感神経を優位にするこ とです。それを即効的に可能にする方法をこのサイトでご紹介していきます。
コリとは筋肉の過緊張状態です。これは筋肉が疲労し疲労物質や発痛物質がたまって血流障害を起こ している状態です。
コリは様様な原因で起こります。肉体疲労、精神的ストレス、性格、運動不足、悪姿勢、偏食、睡眠 不足、など生活習慣に起因するものがほとんどで、筋肉が血流障害を来たしていると筋肉の周りのそ の下にある骨や関節も同じ間葉系の組織で同じ血管神経支配を受けているので、筋疲労がとても強い 時には血流障害が骨や関節にまで起こって組織障害を伴うほどまで進んでしまいます。
対症療法では消炎鎮痛剤を湿布や投薬として使用しますが、これは急性の場合や短期間のであれば問 題はありませんが、常用することはかえって根本的な治癒を止めてしまい、更に組織の破綻を来たし ます。
それは消炎鎮痛剤は血管を開く物質であるプロスタグランジンの産生を阻害する薬剤で、血管を閉じ る働きかけをするからです。
おしかける血流、おしかける痛み物質が止められる訳ですから、痛み自体は一時的に止まります。 しかし血流を止めている訳ですから、同時に組織修復自体も止めてしまいます。消炎鎮痛剤は湿布薬 にも使われることでも分かるように血流を止めるのでよく冷えます。
痛み物質の産生を抑えた上に冷やしてしまえば痛みを感じなくなりますが、同時に治癒反応も止めて しまっているわけですから結局、疲労の回復も組織の修復も起こりません。
日本自律神経免疫治療研究会理事長 福田稔医師のお話
[肩が凝った][腰が痛い]と訴えていた人が、病院で検査を受けたら「胃がんがあった]「肝 臓ガンだった]とかで入院したという話を、耳にした事があると思う。
実のところ以前の私もそう考えていた。胃がんや肝臓ガンが背中まで広がって、神経を刺激 するために痛むのだと、安易に考えていたのである。
しかし、本当の答えを出すには、肩こり、腰痛はどうして起こっているのか考える必要がある。 ここで、新しい免疫学【福田ー安保理論)のことを思い出してほしい。痛みの中には、ストレス によって起こるものがあることに気がつけば、答えは簡単なのである。
痛みを訴える患者さんを自律神経の面から見ると、副交感神経が優位になっている症例は 少なく、ほとんどは交感神経が優位になっている。つまり、働きすぎ、遊びすぎ、飲みすぎ、 精神的疲労などのストレスによって、肩こり、腰痛を起こしている人が多いのである。そのほか、 目の疲れ、歯の悪いかみ合わせなどによる肩こりも、当然考えられる。
これらはすべて、精神的、肉体的にバランスをくずした結果のストレスと考えられる。このような 人の白血球は顆粒球が多くなり、リンパ球が少なくなっているのである。 こういった症例に対しては、現代の西洋医学では鎮痛剤、湿布剤の投与が行われる。つまり 薬漬けになり、その結果、交感神経の緊張が極限に近い状態となる。
この医療が長年続けば、当然のことながら悪性疾患を生む。多くの疾患のかっこうの標的 になるわけである。
肩こり、腰痛があってもガンにならないためには、適切な治療が必要となるのである。 温泉に行くのも良い。友人とおしゃべりをするのもよい、ゴルフに行くのもよい。体を温める工夫 をしたり、爪もみを行ったりするのもよいということになる。
これこそが、薬より養生である。副交感神経を優位にする生活を心がけることが、肩こり、 腰痛からガンに続く道を断ち切り、すこやかな体をつくることになるのである。
①自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、両者はバランスをとりながら働いて います。ストレスなどがかかると交感神経が優位になり、リラックスすると副交感神経が優位 になります。いずれの側にも傾きすぎず、ちょうどいいバランスにあることが、正常な状態です。
②白血球には、主に顆粒球とリンパ球があります。顆粒球は54~60%、リンパ球は35~41%の 割合を保っているのが正常な状態です。しかし、交感神経が優位になると顆粒球がふえ、副交感神経 が優位になるとリンパ球がふえてしまい、比率が乱れます。こうした状態が長く続くと、免疫力が 低下し、病気が発生します。
③全身の血行も、自律神経に支配されています。とくに問題となるのが、交感神経が優位な状態が 続くことです。その結果、血管が過度に収縮して、血行が悪くなり、心臓病や高血圧の発症が促され ます(虚血)。同時に新陳代謝も低下し、体に必要なものが行き届かないうえ、体に不要な老廃物や 毒素が排出されず、病気を招きます。反対に、副交感神経が優位になって血管が過度に拡張し、血行 が悪くなる場合もあります(うっ血)。
④交感神経が優位になり、顆粒球が過剰にふえると、活性酸素も増加します。顆粒球は、体内で主に 外から侵入した細菌と闘いますが、役割を終えると臓器や血管などの粘膜上で、活性酸素を放出しな がら死んでいきます。体内には、活性酸素を無毒化するしくみもありますが、顆粒球が過剰 になるとその働きが追いつかず、広範囲で組織破壊を引き起こして病気を招くのです。
⑤交感神経が優位になり、血行が悪くなると、体温も下がってきます。逆に、副交感神経が優位になり、 血行が促進されると、体温が上がります。食事をしたあとに体温が上がることは、よく知られています。 これは、食事によって消化管を動かすことが、副交感神経を活性化しているためです。
⑥自律神経は無意識のうちに働きますが、呼吸法によってコントロールができます。息を吐くときは 副交感神経が優位になり、吸うときは交感神経が優位になります。また、副交感神経が優位のとき はゆったりした呼吸になり、交感神経が優位のときは速くて浅い呼吸になります。
⑦以上のことから、自律神経が乱れ、交感神経、副交感神経のどちらかが過剰に優位になると、 さまざまな問題が起こってくることがわかります。いずれにも偏らない、バランスのとれた状態に あることが大切です。